自然と触れ合う気功合宿@八ヶ岳に参加(2日目②)終了

2019年6月30日日曜日

イベント 気功合宿

二日目の最後のイベントは、Kigi 代表 波多野ゆふさん(先生)による、
「紫雲膏づくり」です。

まずは「紫雲膏」についてのレクチャー。(※既に公けにされている内容を記しています)

中国の明代の医学書をもとに、江戸時代の医師・華岡青洲が創案した軟膏で、肌を潤し火傷や切り傷、湿疹などの皮膚疾患に有効なもの。紫雲膏を塗ってからお灸を据える方法もあるそうです。

左から紫根、ミツロウ、当帰
一般的には豚の脂(ラード)を加えるのですが、今回は、太白ごま油とミツロウでした。このミツロウは、山口県の養蜂家さんが大切に育てた”やさしい”ミツバチから分泌されたものだそうです!確かに甘い花?穀物?の香りのする色の濃いミツロウです。ミツロウには肌の軟化・抗菌作用があるとのこと。太白ごま油は非焙煎で、肌への浸透力が高く、体内の活性酸素を除去してくれるそうです。

ムラサキの花
そして紫根(和名:ムラサキ)。紫色の語源になった植物で、根の部分が古くから染料や生薬(解熱、解毒)として使われてきました。栽培が難しく、日本では絶滅危惧種となっており、現在栽培用に販売されているのは、同じムラサキ科の西洋ムラサキだそうです。

昔の人は、草木染めの衣服を着る際、植物のエネルギーをまとうことで、その薬効成分が身体に染み込むことも目的としていたとのこと。薬を飲むことを、”服用”、”服薬”、というのは、そこから由来しているそうです。
歌舞伎に出てくる、紫色の”病(やまい)鉢巻”は、殿ご乱心!のときに、殿に精神を落ち着けてもらうためにつけさせるもので、紫根の解毒効果を狙ったものだとか。

当帰(トウキ)。漢方薬らしい匂い、といえばこの当帰の香りが代表的ですが、外用では膿を出し肉芽形成作用があるそうです。


ゆふさんの心地よいトーンで繰り広げられるお話しは、どれもとても興味深くて面白いです。野草に対するやさしいまなざし、愛を感じます。シミック八ヶ岳薬用植物園のガーデンキーパーをされていた際に、いわゆる雑草と呼ばれる、本来そこに生えてくる草を抜いて薬用植物を植えることにふと疑問を感じられ、独学で野草について学ばれたとのこと。毒草が特にお好きだそうですが「草はただ捕食されないよう、成分を出しているだけ、ただ生きているだけ、、」とのこと。大いに頷けますし、道端の野草への見方が変わります。

作業工程のうち、ごま油の加熱・ミツロウを溶かしトウキを抽出する段階まで予めゆふさんが準備して下さっており、我々は、紫根を抽出するところから行いました。(途中、ミツロウが溶ける匂いのせいか、どこからかミツバチが一匹飛んできてチェックしていきました。)

紫根を投入すると、濃い赤ワインか赤紫蘇ジュースのような色です。抽出終わったら布で漉しボールに入れ、ヘラで練りながらゆっくり時間をかけて冷やします。
まるでお菓子を作っているかのような感じでした。
「紫雲膏」完成!
すべて食べられる安全な材料からできているので、肌につけても安心です。傷薬としてだけではなく、洗顔後のお肌の手入れにも使ってみようと思います。


・・・・・・・

名残惜しいですが、これで今回の合宿は無事終了。皆で後片付けをして解散しました。

合宿の初めのころは、五感を研ぎ澄まして気功の技を学ぶぞ~!と力んでいましたが、自然の中で過ごすうちに気負いがとれ、素の自分に戻れた気がします。


前島先生も仰っていましたが、自分で受けている感覚を正しいとか正しくないとか解釈しないで、ただ素直に感じることを大切にして、今回の体験を今後に活かしていきたいと思います。


思い切って参加してみて本当によかったです。
ココロとカラダ、しっかりリセットできました!

素敵な機会を作ってくださった先生方はじめご一緒した仲間の皆さまに心より御礼申し上げます。

長文、お付き合いいただきありがとうございました。